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2016年4月に電力の小売全面自由化が開始され、一般消費者が自分のライフスタイルに適した電力会社と契約できるようになりました。これによって、電力会社の変更で電力自由化以前より電気代が安くなる世帯が増えています。

ただ、一般的に「契約の変更」というと、複雑な手続きが必要と思われがちです。そのため、電力会社の切り替えに興味があっても、契約変更に踏み切れない人が多いといわれています。

そこで、ここでは電力会社の切り替え手続きについて解説し、そこからどのように電気代を安くすればいいのかについて確認していきます。

電力会社の切り替えに必要なもの

電力会社を切り替えるために必要なものは、大きく分けると①スマートメーター、②検針票の2つです。現在契約している電力会社が東京電力の場合は契約解除に540円が必要ですが、それ以外の地域電力会社は費用がかかりません。

スマートメーターとは、通信機能を備えたデジタル式の電力量計のことです。

自宅の電力量計がスマートメーターかどうかは、目視で確認できます。電力量計は検針員が外から数値を確認できるような位置である必要があるため、玄関先や道路近くの家屋側面などに設置されています。

このような場所に設置されている電力量計に「回転している円盤」があれば、旧型の電力量計です。これに対して、円盤がなく数字の表示がデジタルになっているものはスマートメーターです。

自宅の電力量計がスマートメーターの場合は電力量計変更の工事は必要ありませんが、旧型の電力量計だった場合は設置の工事が必要です。

ただ、電力会社切り替えの手続きを終えると自動的にスマートメーター設置の手続きも進むため、新たに手間が増えるということはありません。また、設置費用は無料なので工事に立会う必要もありません。

検針票とは、電力会社から毎月自宅に届いている使用電力量や電気料金を知らせる紙のことです。インターネット上で見れるように手続きした人は、電力会社のホームページ上にて確認することができます。

検針票に記載されている情報のうち、電力会社の切り替えの際に必要なのは、22桁の「供給地点特定番号」と17桁の「お客さま番号」です。そのため、もし検針票が見つからなければ、これらを電力会社に問い合わせることで電力会社の切り替えが可能です。

このように、電力会社の切り替えに必要なのはたった2点のみです。さらに、このうち自分で用意するのは検針票に載っている「供給地点特定番号」と「お客さま番号」のみです。この2つがわかれば、すぐに契約変更の手続きを行うことができます。

電力会社の切り替え手続きの手順:契約者本人の場合

まず、前述のように手元に検針票(見つからなければ供給地点特定番号とお客さま番号)を用意します。そして、新しく契約したい電力会社に電話やホームページ、窓口で申し込みをします。

このとき、セット割プランのみを取り扱っている電力会社に申し込む場合、特定の契約情報が必要となるケースがあります。例えば、通信会社であるauやソフトバンクにインターネット上で電力の申し込みをする際、それぞれの会員IDとパスワードが必要となります。また、窓口で申し込む際は運転免許証などの本人確認書類が必要です。

ホームページ上で申し込みをすると、契約プランの選択や必要事項記入の画面に移ります。契約プランは、あらかじめホームページにある料金シミュレーターを使用して決めておきましょう。

必要事項の記入では、氏名や住所、電話番号、お客さま番号、供給地点特定番号を記入します。ただ、電力会社によっては、お客さま番号の入力が不要なケースがあります。

これらを記入して、「申込情報の確認」と「情報の取り扱いや契約内容についての同意」を行うと、手続きが完了します。そして、スマートメーターが設置されていない場合は工事日程の連絡が入り、電力会社の切り替えが完了次第、新しい電力会社から通知がきます。

電力会社の切り替えは、スマートメーター設置済みの場合約4日程度、未設置の場合は約2週間とされています。ただ、申し込みが集中すると切り替えに時間がかかるケースがあります。また、スマートメーター設置が間に合わなくても電力会社の切り替えは行われます。

電力会社の切り替え手続きの手順:契約者以外の場合

基本的に、ホームページや電話では契約者本人以外が電力会社を変更することはできません。ただ、窓口で申し込む場合、契約者に委任状を書いてもらうことで契約者以外でも申し込みできるケースがあります。これについては企業によって異なるので、まずは申し込みたい電力会社に確認してみましょう。

このように、電力会社の切り替えに費用や手間は必要ありません。また、新規で参入した電力会社の料金プランは従来よりも安いケースがほとんどです。そのため、電気代を節約したいのであれば電力会社切り替えの検討をおすすめします。

ただ、さまざまな会社が電力業界に参入したことによって、料金プランやサービスは多様化しています。そのため、情報をしっかり把握した上で契約変更することが必要です。そうすることで、家計の負担は今より軽くなるはずです。

電力会社の変更にはお金がかかるのか?

それでは、電力会社を変更すると新たな費用が必要になるのでしょうか。「契約の変更」というと、手続きが面倒で費用がかかりそうなイメージがあります。ただ、電力会社の変更は、新しく契約する会社に申し込みをするだけで手続きが完了します。

電力会社を変更するためには、自宅に「スマートメーター」という通信機能付きのデジタル電力量計を設置する必要があります。スマートメーターが未設置の世帯は、電力会社変更の手続きを終えることで自動的に設置の手続きが完了します。

原則、スマートメーターの設置にはお金がかかりません。スマートメーターの設置に費用がかかるのは、かなりのレアケースです。

例えば、過去に電力量計を変な位置に変更してもらったり、勝手にいじっていたりするときは費用がかかる可能性があります。ただ、一般的な家庭ではまずこのようなことはありません。

また、契約を変更するときには「事務手数料」などが発生することがあります。ただ、地域電力会社のほとんどが解約の際に事務手数料を必要としません。地域電力会社のうち事務手数料が必要なのは東京電力のみで、解約時には540円の事務手数料がかかります。

電力自由化以前は、全世帯が地域の電力会社と契約していました。つまり、初めて電力会社を切り替えるときはほとんどの世帯で費用がかからず、費用が必要なケース(東京電力を利用している方)でも540円しかかからないということです。

新規参入電力会社から他社へ乗り換えるときの費用

前述のように、初めての電力会社切り替えには費用がほとんどかかりません。ただ、2回目以降では、賢く契約変更を行わないとお金がかかることがあります。

新規に参入した電力会社の多くが契約期間(2年間の契約など)を設けており、契約期間内の解約で解約金が発生します。さらに、このような契約は自動更新であることが多く、最初の契約期間を終えても特定の期間に契約解除しなければ解約金が発生します。

例えば、ケーブルテレビ大手のJ-COMでは、2年契約(集合住宅の場合は1年)が自動更新されます。そして、契約満了前に解約すると2万円(集合住宅は1万円)の解約金が発生します。解約金がかからないように解約するためには、2年または1年ごとの契約更新月に解約をする必要があります。

このようなことから、2回目以降の電力会社変更には解約金が必要になるケースが多いです。

さらに、このように契約期間を設けている会社は、全国に電力供給を行っているとは限りません。前述のJ-COMでは、電力供給を行っているエリアが北海道や東北、関東、関西、九州となっています。そのため、契約期間内にこれらのエリア外(四国など)へ引っ越すと電力会社を変更する必要が出てくるため、解約金が必要になります。

ほとんどの世帯において、電力会社を乗り換えることによって安くなる電気料金は数千円です。そのため、数年で再び他社へ切り替えると、解約金の方が高く付くケースもあります。

以上のことから、一度も電力会社を切り替えていない世帯は電力会社の切り替えを検討してみることをおすすめします。

ただ、前述のように、2回目以降には費用がかかることが多いです。そのため、電力会社を再び変更する必要がないように、料金プランやプラン内容をしっかり確認して賢く電力会社を選ぶことが大切です。

電力会社乗り換えの最適なタイミング

それでは、電力会社を切り替える最適なタイミングは存在するのでしょうか。「電気代を節約したい」というのは多くの人が思っていることです。そのため、電気料金が安くなるなら電力会社を変えたいという人はかなり多いです。ただ実際には、さまざまな理由によって契約の変更を先送りにしている人は少なくありません。

このような、電力会社の変更を見送る理由の一つが「様子見」です。様子見をして電力会社を変更しない人は、乗り換える人が増えたら自宅の契約変更を検討しようとします。

ただ、周りと同じタイミングで変えると、手続きが混み合ってスムーズに契約変更できない可能性があります。すると、電力会社が切り替わるのが遅くなって損をしてしまうことがあります。つまり、「もう少し早く手続きしておけばよかった」ということになりかねないのです。

電力需要が高まる夏と冬には乗り換える人が多くなる

前述のように、ほとんどの消費者が「電気代を安くしたい」と思っています。ただ、「月100円安くなる」など、細かい単位で電気代を安くしようと思っている人は多くありません。そのため、多くの人は節約できる金額が少ないと電力会社の変更を見送ります。

また、そもそも電気代が高いと感じていない人も少なくありません。特に、仕事などで家に人がいる時間帯が少ない世帯では、電気使用量が少なくなります。そのため、このような世帯では電気代を節約しようという意識が薄いことが多いです。

ただ、このような世帯でも、夏や冬などの電力需要期には「電気代が高い」と感じやすいです。特に、最も電力消費量が多くなる7~8月には、4月の1.5倍の電気代になります。例えば、春頃に7000円だった電気代は、真夏には10000円程度になります。春頃の電気代が10000円であれば、真夏の電気代は15000円まで高くなるのです。

このように、電気代が目に見えて高くなると、多くの人が「何とかして電気代を安くできないか」と考えます。そして、電気代を安くするための手段の一つとして電力会社の変更が候補に上がります。つまり、電気代が高くなる夏や冬には、電力会社を変更する動機が生まれやすいのです。

また、消費者にとって電気代の節約は身近なテーマです。そのため、電気代が高くなるシーズンの前には、テレビやインターネットなどのさまざまなメディアで電力会社の変更による電気代の節約方法などが紹介されます。

このような情報に触れた多くの人が、電気代を節約するために電力会社の変更を検討します。すると、手続きが混み合って契約変更に時間がかかることがあります。

電力会社の切り替えが遅れると、従来の電気料金を支払う期間が長くなります。つまり、電気代を安くするために電力会社を変更しようとしても、電気代が高くなるシーズンに変更手続きが間に合わないとその期間分だけ損をしてしまう可能性があるのです。

このようなことから、電気代節約のために電力会社の変更を検討している人は、電力需要が高まるシーズンの前に変更を終えることをおすすめします。

電力会社乗り換えの注意点

前述のように、電力会社の乗り換えは夏や冬になる前に終わらせるのが賢明です。ただ、変更を焦って誤った選択をしないように、冷静な判断を行う必要があります。

新規に参入した電力会社が打ち出しているプランには、契約期間が設けられているものがあります。例えば、「2年契約で○○円安くなる」というようなものです。このようなプランでは、契約期間中に解約すると違約金がかかることが多いです。

これに加えて、契約期間を設けている電力会社が全国に電力を供給しているとは限りません。そのため、契約期間中に供給エリア外に引っ越すと、自動的に解約となり違約金が発生することがあるのです。

また、契約期間が自動更新である会社も存在します。契約期間が自動更新される場合、契約の更新月やその付近に解約しないと違約金が発生します。例えば、2016年6月に契約すると、2018年6月や2020年6月など2年ごとの6月以外で解約すると違約金がかかるということです。

このような契約条件では、引越のタイミングで違約金が発生しやすくなります。特に、転勤など仕事に関わる引越は日時の調整がきかないことが多いです。そのため、引越を伴う転勤がある人は注意して契約を行う必要があります。

これまでに述べたように、電力会社の変更は周りより先に行う方がお得です。ただ、契約内容をしっかり把握しないとかえって損になることがあります。そのため、前述のような知識を踏まえて冷静に判断することが大切です。そうすることで、電気代を無理なく安くできます。