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家計を管理している人のほとんどが、できるだけ光熱費を節約しようとしています。実際に、テレビや雑誌などのメディアで電気代の節約方法について特集が組まれることからも、それだけ多くの人が興味をもっている事柄であるといえます。

このような電気代を節約する方法の1つに、「家電の買い替え」という手段があります。通常、家電を買い換えると費用がかかります。ただ、買い換える家電を「エコ家電」にすると、電気料金が下がり買い替え費用を補うことができます。また、それに加えてさまざまなメリットがあります。

そこで、ここではエコ家電を家庭に導入するメリットにやコツついて解説していきます。

エコ家電導入のメリット

以下でエコ家電導入のメリットについて述べていきます。

消費電力が低下する

エコ家電とは消費電力量が少ない家電のことをいいます。現在国内で生産されているほとんどの大型家電はエコ家電の基準を満たしているため、多くの世帯で家電の買い換えによって消費電力量の低下が見込めます。

例えば、資源エネルギー庁の資料によると、2003年製の400~450L冷蔵庫における年間消費電力量は600~680kWh程度だったのに対して、2013年製の冷蔵庫は200~220kWhとなっています。つまり、2003年製の冷蔵庫を所持している人が2013年製のものに買い換えると、消費電力量を約1/3まで減らせるということです。

このようにして世帯の消費電力量を減らすと、その分だけ電気代が安くなります。さらに、消費電力の低下は環境貢献にもつながります。というのも、日本の電気の約6割は火力発電によるものであるためです。

火力発電は化石燃料などを燃やすため、地球温暖化の原因物質といわれている二酸化炭素の排出を伴います。家電の買い替えによって電力消費が低下すると、その分だけ必要な発電量を減らすことになるため、温暖化ガスの排出量を少なくすることができます。

このように、消費電力の低下は電気代の節約になるだけではなく、環境にも良い影響を与えることができます。つまり、エコ家電の導入は家計と環境にやさしい行為なのです。

一度に使用できる家電が増える

電気料金は、(基本料金+電力の使用量に応じた料金)で計算されます。このうち、基本料金は電力会社によって算出方法が異なります。

東京電力や北海道電力、東北電力、中部電力、北陸電力、九州電力などの6社が管轄している地域では、「電流(アンペア)制」によって基本料金が定められます。これは、家庭内に一度に流すことができる電流量の上限を定める制度で、契約アンペアによって基本料金が異なります。

例えば、20A(アンペア)で東京電力と契約したときの基本料金は、561.6円です。これに対して、30Aでの契約では基本料金が842.4円となります。このように、契約するアンペアが大きくなるほど基本料金が高くなります。

ただ、節約のつもりで必要以上に契約アンペアを低く設定すると、生活に不便が生じます。例えば、20A契約では、電子レンジや炊飯器などの消費電力が多い家電を同時に使用すると、電流の使用量上限を超えてブレイカーが落ちることがあります。つまり、低いアンペアで契約すると、一度に稼動できる家電が少なくなるということです。

前述のように、エコ家電は従来の製品よりも消費電力量が少ないです。使用電流量は、消費電力量が少ないほどに低下します。つまり、エコ家電は消費電力だけではなく、使用する電流も従来と比べると少なくて済みます。

このようなことから、家庭にエコ家電を導入すると、一度に稼働できる家電が増えるといえます。前述の例でいうと、電子レンジと炊飯器を稼働しながらテレビや掃除機などが使用できるようになるということです。

さらに、エコ家電を導入して一度に使用する電流量が減ると、契約プランを見直すことができます。東京電力との契約を30Aから20Aに変更すると、毎月の基本料金が280.8円安くなるため年間3369.6円の節約になります。

このように、自宅の家電をエコ家電に買い換えるとさまざまなメリットがあります。特に、家電が10年以上前に購入したものであれば、買い替えによって消費電力量が大幅に低下するため、買い替えのメリットが大きいといえます。

エコ家電の見分け方

これまでに述べたように、エコ家電の導入にはさまざまなメリットがあります。ただ、一般消費者が製品の消費電力を比較することはなかなかできることではありません。このような問題を解決するため、2000年から「省エネラベリング制度」が開始となっています。

省エネラベリング制度とは、各家電メーカーが、国が定めた基準値を元に「製品の省エネ性能」を表示する制度です。

省エネ性能の目標値をクリアした「エコ家電」には、緑色の「省エネルギーラベル(円形の中にeがデザインされているマーク)」がついています。これに対して、非エコ家電には、オレンジ色の省エネルギーラベルが表示されています。

また、省エネ性能を5段階の星印で表示する「統一省エネルギーラベル」という制度もあります。これも国が定めた基準による評価制度で、表示された星の数が多いほど省エネ性能が高い製品ということになります。

このような省エネ表示は、製品本体やカタログ、家電量販店の店頭などで確認できます。そのため、家電買い換えの際には、店頭などで省エネ評価を確認した上で選ぶことが大切です。そうすることで、消費電力量を抑えて電気代を節約することができ、環境への貢献につながります。

エコ家電を導入するコツ

 

ただ、家電の買い替えにはまとまったお金が必要です。さらに、買い換える家電を誤ると、想定していたよりも電気代が下がらずに買い換え費用分を損してしまうことがあります。

もともと消費電力量が少ない家電を買い換えても、電気代を目に見えるほど節約することはできません。そのため、家の中で電力を多く消費している家電から切り替えることが大切です。

例えば、さまざまな家電のうち、冷蔵庫やテレビ、照明器具などは消費電力量が多いです。この中でも特に、冷蔵庫は常に稼働する必要がある家電です。そのため、冷蔵庫を消費電力の低いものに買い換えると電気代を節約しやすいといえます。

優先して買い換えるべき家電

・冷蔵庫

冷蔵庫の消費電力は、2003~2013年の10年間で約1/3まで減少しています。これを電気料金に置き換えると、400~450L冷蔵庫で年間約10000円安くなるということになります。

このようなことから、購入してから10年以上経過した冷蔵庫を使用しているのであれば、新しく買い換えることで電気代の大幅な節約が見込めるといえます。

このとき、消費電力や価格が安いからといって、実際に必要なサイズより小さい冷蔵庫を選ばないことが大切です。冷蔵庫は、冷風を循環させることによって庫内を冷やしています。そのため、小さい冷蔵庫を購入して食材を詰め込み過ぎると、冷風が流れなくなって庫内が冷えにくくなり食品が腐りやすくなります。

・照明器具

前述のように、照明器具も消費電力が多いため買い換えることで電気代の節約が行えます。特に、リビングなどの使用頻度の高い照明器具を白熱電球からLED電球に替えると節約効果が高く、年間約2000円の電気代低下が見込めます。

さらに、LED電球は消費電力が低いだけではなく、寿命がかなり長いという特徴があります。そのため、買い替えをすると電球を買い換える機会が減って、その後の買い替えコストも低く抑えることができます。

・テレビ

これまでに述べた冷蔵庫や照明器具に比べて、テレビは世帯によって使用頻度が異なる家電です。そのため、自宅に人がいる時間が長い世帯やテレビをつけっぱなしにしている世帯は、テレビを買い換えるメリットが大きいです。

特に、このような世帯の中でも、テレビを購入してから10年以上経過している家庭では、新しく買い換えることで電気代の大幅な節約が見込めます。というのも、2014年製のテレビの消費電力は2006年製のテレビの半分以下にまで減少しているためです。

このように、家電の切り替えは消費電力の多い家電から行うことが大切です。そのため、まずは世帯の家電が消費している電力量について一度確認してみることをおすすめします。

家電の消費電力量チェック方法

家電の消費電力量は、家電本体に貼られているシールや製造会社ホームページで確認することができます。

家電に貼ってあるシールにはさまざまな数字が記載されています。これらの数値のうち、「AC」という表記の後に書かれている、単位が「W(ワット)」になっている数値が製品の消費電力量です。つまり、この数字が小さいほど消費電力が少ないということであり、電気代を節約できる家電であるということです。

例えば、消費電力が1000Wの家電を500Wのものに切り替えると、1時間あたりの電気代は約半分になります。東京電力と契約している場合、1時間あたり9~15円が節約できます。

また、さまざまな家電のうち、炊飯器やポットなど「熱を発生するもの」は消費電力が高い傾向にあります。そのため、家電の買い替えを検討しているのであれば、熱を生み出す家電を優先して切り替えることをおすすめします。特に、エアコンの暖房機能を使う機会が多い人は、切り替えることで大幅に電気代を節約することができます。

家電買い換えナビゲーション「しんきゅうさん」

環境省では、消費電力の少ない家電を普及させるために「しんきゅうさん」というサイトを運営しています。このサイトでは、自宅の家電情報を入力すると、買い替えによって低くなる消費電力量や電気代がわかります。また、家電をまとめて比較することができるため、買い替えの優先順位を決める際の良い参考になります。

これまでに述べたように、家電を買い換えることによって電気代を節約することができます。ただ、消費電力量や使用頻度が低い家電を買い換えても大きな節約効果は見込めません。そのため、これまでに述べた情報を踏まえて、どれくらい安くなるのかをシミュレーションした上で家電を買い換えることが大切です。