b13a0b0e3c43dd425b1f745707f45af2_s

2016年4月の電力自由化以降、一般市民は電力会社を自由に選ぶことができるようになりました。それまでは、どのような状況下においても決められた1社からしか電力を購入しなければなりませんでした。

新しく電力会社を選ぶ際、電気料金で選ぶ人は多いです。通常、電気は毎日使用するため電気料金が安いほど家計が楽になります。

ただ、電力自由化によって多くの会社が電力業界に参入したため、市民が選べる料金プランが多岐に渡っています。そのため、最適なプランを選択することが困難となっています。

ただ、電気料金を安くするためには、電力会社を変更する前にまず考慮するべきことがあります。そこで、ここでは電気料金を安くするために考慮するべきことについて解説していきます。

自分の電気使用状況を知らないと損をする

前述のように、電気料金が下がることを多くの人が望んでいます。そのため、新規に参入した電力会社は、大手電力会社よりも安い料金設定を行うことが多いです。

ただ、電気料金の単純な値下げには限界があります。そのため各電力会社は、他の契約とのセット料金や電気の使用時間帯による値下げ、電気の使用量に応じた値下げなど、料金プランによる工夫を行って消費者にアプローチします。

通常、このようなアプローチでは顧客が不安になるようなことは提示しません。例えば、「他社と比べて安くなる」とはいいますが、「損をする可能性がある」とはいわないことが多いのです。

そのため、このようなことを知らずに電力会社の営業を受けると、価格が安くなると思って契約したのに、実際には電気料金が高くなるという可能性があります。特に、電気の使用時間帯や使用量によって電気料金が変わるプランを選択すると、このようなことが起こりやすいです。

さらに、電力自由化以前に契約していた電力会社と違って、新規に参入した電力会社は契約情報や使用状況についての情報を持っていません。そのため、自身の電気使用状況について無知だと、電力会社を変更しようとするときに最適なプランを契約することができません。

例えば、携帯電話会社の窓口で通信料の相談をすると、今までの使用状況を確認して最適なプランを提示してくれます。ただ、新規に参入した会社は使用状況に関する情報がないため、このように最適なプランを提示することができないのです。

これと同じように、電力会社を自由に選択できるようになっても、契約者本人が使用状況を理解していないと損をする可能性があります。そのため、電気料金を安くするためには、世帯の電気使用状況を把握する必要があります。

電気使用量の確認方法

電力自由化の際に電力会社を変更していなければ、毎月地域の電力会社から「電気ご使用のお知らせ」という検針票が届きます。これには、電気料金の他に「電気の使用量」や「前月分の使用量」、「前年同月分の使用量」などの記載があります。これによって、その月の電気使用量を把握することができます。

このような検針票が手元になかったり以前の電気使用量が知りたかったりするときは、電力会社のホームページで利用登録を行うことによって24ヶ月前の分まで確認することができます。

利用登録は各電力会社のホームページで行います。この際、氏名と電話番号の他に、「お客さま番号」が必要になります。これは、検針票や契約書、支払い用紙などに記載があります。お客さま番号が不明な際は、契約している電力会社に問い合わせることで確認できます。

これらの情報を入力して利用登録を行うと、数日後に利用開始のお知らせが自宅に届きます。これに記載されているIDやパスワードを使用してログインすると、過去の電気使用量を確認することができます。これによって、季節による電気使用量の変化が把握できます。

また、電力会社を選ぶためには電気使用量を測るメーターを「スマートメーター」に変える必要があります。それまでのメーターが電気使用量を測る機能しか持ち合わせていなかったのに対して、スマートメーターは通信機能を備えています。そのため、スマートメーターの使用によって電力の使用量を時間ごとに把握できるようになります。

今後スマートメーターの普及と技術の進歩が進むことによって、契約者自身が時間ごとの電気使用量を確認できるようになり、省エネ促進することが可能になるといわれています。

このようにして自分の電気使用量を把握すると、さまざまな料金プランから最適なものを見つけやすくなります。そのため、電気料金を安くするためには、電力会社を変更する前にまずは自分の契約状況や電気使用量を把握するべきだといえます。

電気料金を安くするためのプラン選びのコツ

前述の通り、電力会社を選ぶ際に最も大切なのが、「電力の消費量を把握すること」です。電力会社にとって、電力消費量が多い消費者は優良な顧客です。そのため、そのような顧客と契約を結ぶために、電力消費量が多い世帯を優遇するプランを提示する会社が多いです。

一方で、単身や二人暮らしなどの電力消費量が少ない世帯は、安くなるプランを選択しても年間数百円しか安くならないことがほとんどです。また、家族で居住している世帯でも、エコ家電を多く使用していたり自宅にいない時間が多かったりすると、単身世帯と同程度の電力消費量になることがあります。

ただ、電力会社によっては、契約解除時に500円程度の解約手数料が発生します。また、年間契約で安くなるプランでは、契約途中での解約で2000~20000円程度の違約金が発生します。

そのため、電力消費量の少ない世帯が転勤・引越や契約変更などを行うとき、電力の消費量や契約プランによっては結果として損することがあるのです。

そのため、電気料金を安くするためには、電力会社を変更する前にまず検針票などで電力消費量を把握することが大切です。そして、各電力会社ホームページにある電気料金シミュレーターなどを使用して実際に電気料金がどれほど安くなるかを確認することをおすすめします。

使用している時間帯を把握する

電力会社によっては、電力の使用時間帯によって電気料金が安くなるプランを提示していることがあります。例えば、東京電力の「夜トク21プラン」では、夜間の電気料金がスタンダードプランに比べて1kWあたり7.47円安いです。そのため、昼間の不在が多かったり電気自動車の充電などで夜間の電力消費量が多かったりする人は得をしやすいといえます。

一方で、このようなプランは昼間の時間帯の電気料金が高いです。例えば前述の「夜トク21プラン」だと、スタンダードプランに比べて昼間の電気料金が10.36円高いです。そのため、休日などに昼間の電力消費量が多くなると損をすることがあります。このようなことを防ぐため、世帯の電力使用時間帯を把握し、適切なプランを選択する必要があります。

ただ、時間帯ごとの電力消費量を一般消費者が把握できるようになるためには、スマートメーター(情報通信機能をもった高機能な電力メーター)の設置が必要です。そのため、スマートメーター未設置の世帯は、電力を消費する要素を平日と休日に分けて書き出し、電力消費要素の多い時間帯を目視で確認することをおすすめします。

世帯の出費が多いところを把握する

電力自由化では、他業種からたくさんの電力会社が参入しました。これらの会社は、すでに提供しているサービスとのセットプランを打ち出しているところが多いです。

例えば、ソフトバンクやauなどでは、携帯電話と一緒に契約すると年間値引があったり使用した電力によってキャッシュバックがあったりします。また、大手旅行会社のH.I.S.やエネルギー会社のJXエネルギー(エネオスでんき)、東京ガスなどもガソリンやガスとのセット割引を展開しています。

また、各電力会社が多く打ち出しているのが、「ポイント制度」です。例えば、東京電力を利用すると、1000円ごとに5ポイントがTポイントやPontaカードに付与されます。また、東京ガスやJXエネルギーも利用によってポイントが付与されます。

このようなことから、適切なプランを選ぶためには世帯の出費がどこに集中しているのかを把握する必要があります。例えば、携帯電話がソフトバンクやauであれば、電力会社もこれらを選ぶことで得をします。また、車に乗る機会が多い人は、JXエネルギーを選択するとガソリン代の値引きによって家計負担が軽くなります。

また、セット割が適用となる会社を利用していなければ、ポイント付与で選ぶこともできます。このとき、最も使用しているポイントカードがどれなのかを把握した上で選ぶことが大切です。

このように、電力会社を変更する前に世帯の電力使用状況や出費の傾向を把握すると、より適切な電力会社を選ぶことができるようになります。そのため、電力会社の変更を行う前に、これまでに述べたような点を踏まえて世帯の出費状況を確認しましょう。