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電力自由化によって、多くの会社が電力業界に参入しました。これらの会社は、もともと提供していたサービスとのセット料金などの、さまざまな料金プランを提供しています。

また、このような自由化によって、既存の電力会社のサービスも大きく変わりました。特に、東京電力のサービス内容は電力自由化前後で大きく変化しています。

そこで、ここでは電力自由化を機に東京電力が新たに開始したサービスについて解説していきます。

電力自由化による東京電力の分社

電力自由化以前の東京電力は、発電や送配電、小売など、電力を販売するまでのすべてを行っていました。ただ、これらの部門は、電力市場の開放のためにそれぞれ分社化されました。

例えば、東京電力の小売部門は「東京電力エナジーパートナー」となり、電力の販売のみを行います。また、同じく送配電部門は「東京電力パワーグリッド」、発電部門は「東京電力フュエル&パワー」となります。

つまり、消費者が電力の契約をする「東京電力」は、「東京電力エナジーパートナー」に名称が変わったということです。なお、このように分社することで、消費者へのサービス内容に影響が出ることはありません。

中部や関西への電力供給開始

多くの人が知っている通り、東京電力は関東地方の大手電力会社です。電力自由化以前は、関東圏に住んでいる人のほとんどが東京電力と契約していました。そのため、東京電力が抱える顧客数はかなり多く、電力供給能力も他社に比べてかなり高いです。

このような特性を活かして、東京電力は2016年4月の電力自由化実施とともに中部や関西への電力供給を開始しました。つまり、自由化以前に中部電力や関西電力と契約していた世帯が、東京電力と契約できるようになったのです。

このように、東京電力は新たな顧客の獲得に力を入れています。これは、電力自由化によって、東京電力がもともと抱えていた顧客が大きく減ることが見込まれているためです。

というのも、関東地方における東京電力の電力シェアはもともと100%でした。そのため、関東エリアにおける消費者の電力会社変更は、東京電力の顧客減に直結します。つまり、東京電力は電力供給エリアを拡大して顧客対象を増やさないと、顧客が減る一方になるということです。

このようなことから、東京電力の供給エリアは今後も広がっていくといわれています。ただ、沖縄や北海道などの本州と離れたエリアは送電設備が繋がっていないため、東京電力の参入は難しいといえます。

料金プランの拡充

前述のように、東京電力の顧客は電力自由化によって大きく減少する可能性が高いです。そのため、東京電力は既存の顧客を囲い込むために、ライフスタイルに応じたさまざまな料金プランの提供を開始しました。

例えば、電力自由化を機に導入された「プレミアムプラン」は、電力使用量が多いほどお得になります。具体的には、月の電力使用量が400kWh以上の世帯では、このプランを適用することによって電気料金が安くなります。

また、昼間に比べて夜間の電気料金が安くなる「夜トクプラン」も、電力自由化とともに開始されたサービスです。これは、夜間における1kWhあたりの電気料金が、通常プランに比べて2.62~7.47円安い料金プランです。そのため、夜トクプランは、共働き世帯など昼間の在宅時間が短い家庭にオススメなプランです。

ただ、夜トクプランにおける昼の電気料金は、通常プランよりも割高です。そのため、現時点で東京電力と契約をしている世帯は、東京電力のホームページなどで自宅の電力使用状況を把握してからプラン変更を行うことが大切です。

また、スマートメーターが設置されていれば、電力の使用状況に応じて基本料金が変わる「スマート契約」を利用できるようになります。この契約では、消費者が電力の使用量を把握しなくても最適なプランに変更されるため、忙しい人や電力使用量の管理を面倒に感じる人に適したプランといえます。

他社との業務提携

前述のように、東京電力は電力自由化を機にさまざまな会社と業務提携を行いました。これにより、東京電力との契約でTポイントやPontaポイントなどの共通ポイントが溜まるようになりました。

また、東京電力はソフトバンクやTOKAIなどの会社とも業務提携を行っています。そのため、これらの会社と東京電力をセットで利用することで、通信料金やガス料金を安く抑えることができるようになります。

 

それでは、東京電力が業務提携を行っている会社について、お得なセットの選び方について述べていきます。

ガス会社

家庭で使用しているガスは、「都市ガス」と「LPガス」に大別されます。これらは、提供方法に違いはありますが、家庭で使用する上で差はありません。都市ガスは道路下のガス管を通じて家庭に供給されるのに対して、LPガスはガス会社がガスボンベを世帯に配送し、ボンベからガスが供給されます。

東京電力が提携しているガス会社は、このうち「LPガス」を取り扱う会社です。つまり、世帯のガスがボンベによって供給されているタイプであれば、東京電力とのセット割が利用できる可能性があります。

例えば、LPガス会社であるニチガスカナジュウ、河原実業などと東京電力の新しい料金プラン(電力自由化以降の料金プラン)を一緒に利用すると、ガス料金が年間で約6000円安くなります。

また、川島プロパンレモンガスが提供しているLPガスや宅配水などのサービスを東京電力とセットで利用すると、年間で最大10368円の料金安のメリットを受けられます。

このように、東京電力と提携しているLPガスの会社を利用すると、セット割引になって光熱費が節約できます。そのため、まずは現在契約しているガス会社が東京電力と提携しているかを調べてみましょう。

通信会社

電力自由化を機に、ソフトバンクは東京電力と提携して電力市場に参入しました。そのため、ソフトバンクの携帯電話やインターネット回線を利用している世帯では、東京電力の新しい料金プランを利用することによってセット割引が適用となります。

また、ガスや通信、ケーブルテレビなどのサービスを提供しているTOKAIグループでは、それぞれのサービスと東京電力の新しい料金プランをセットで利用することで割引を受けられるようになりました。

そのため、これらのサービスをすでに利用している世帯は、東京電力の新しい料金プランとのセット契約の検討をおすすめします。

ポイントサービス

東京電力の新料金プランで契約すると、電気料金1000円ごとに5ポイントが貯まります。このようにして貯まったポイントは、東京電力が運営している「くらしTEPCO」というサイト上でPontaポイントやTポイントなど、提携先のポイントに変換することができます。

このように、東京電力はさまざまな会社と提携し、それぞれに割引サービスやポイント制度を導入しています。そのため、まずはすでに契約している会社が東京電力と提携しているかどうかを調べてみましょう。そして、契約している会社が東京電力と提携していた場合、東京電力の新しい料金プランとのセット利用にすることで、家計の負担を減らすことができます。

また、現段階で提携していなくても、今後東京電力の提携先が増える可能性が高いです。というのも、2016年に電力市場が自由化されたのと同様に、2017年にはガス市場が自由化となりました。そのため、東京電力は他社との連携をさらに強めるといわれているのです。

このようなことから、光熱費節約のためには世帯が契約している会社の情報を定期的にチェックすることが大切といえます。そして、普段からこのような情報に敏感になることで、契約会社の変更などを行わなくても光熱費の節約ができます。

なお、これまでに述べたようなセット割を利用するためには、提携先に電力の申し込みをする必要があります。そのため、ソフトバンクとのセット割を利用したいのであればソフトバンクに、ニチガスとのセット割を利用したいのであればニチガスに電力申し込みを行いましょう。

東京電力との契約で得をするコツ

さて、次に関東圏の地域電力会社である東京電力との契約を維持したまま得をするコツについて解説していきます。

東京電力の従量電灯プランに加入していた場合

電力自由化以前の東京電力における料金プランのうち、加入者がもっとも多い基本的なプランは「従量電灯」です。従量電灯の電気料金は、「基本料金+電力量料金(1kWhあたりの電気料金×使用電力量)」で計算されます。このうち、基本料金は契約する電流容量によって変動します。

例えば、契約電流を30A(アンペア)に設定すると、家庭に一度に流せる電流量の上限が30Aとなって、基本料金は842.4円になります。

また、電力量料金は3段階に分かれており、120kWh使用分までの電力量料金が19.52円、121~300kWhまでが26円、301kWh以上が30.02円となっています。

これに対して、電力自由化以降に発表された東京電力の新しい料金プランでは、300kWhまでの電力量料金が23.4円、301kWh以上が30.02円となっています。

これらを比べると、毎月300kWh以上の電力消費がある世帯では、旧プランから新プランに契約変更しても電気料金はほとんど変わりません。一方で、月間の電力消費量が120kWh程度の世帯では、従来の料金プランの方がかなり安いです。

このように、電気料金のみで比べると、東京電力における旧プランの方がお得です。ただ、新プランで契約すると、ガス会社や通信会社とのセット割が適用になるケースがあります。

例えば、ニチガスと東京電力の新しい料金プランをセットで利用すると、年間で約6000円の割引があります。また、ソフトバンクの携帯電話や光回線を東京電力とセットで利用すると、年間1200~3600円の割引があります。

さらに、東京電力の新しい料金プランでは、電気料金1000円ごとに5ポイントが貯まります。貯まったポイントは、TポイントやPontaポイントに変換して使用することができます。

このように、従来における東京電力の従量電灯プランに加入していた場合では、新しい料金プランに切り替えると、セット割引やポイントなどによって得することができます。そのため、月間300kWh以上の電力消費量がある世帯は、新しい料金プランへの切り替えを検討することをおすすめします。

なお、セット割引はそれぞれの提携会社から電力契約を申し込んだ際に適用されます。

例えば、ニチガスとのセット割引適用のためには、ニチガスに電力を申し込む必要があります。また、ソフトバンクとのセット割を利用するためには、「ソフトバンクでんき」内の「スタンダードプラン」で契約する必要があります。そのため、セット割を利用したい場合は、東京電力と提携している会社を調べた上で、提携先に電力契約を申し込みましょう。

東京電力の従量電灯プラン以外に加入していた場合

電力自由化以前における東京電力は、ライフスタイルに応じてさまざまな料金プランの提供を行っていました。電力自由化以降は、それらプランの新規受付を終了し、新しい料金プランの提案を行っています。

例えば、電力自由化以前には、オール電化向けのプランとして「電化上手」が提供されていました。このプランは2016年3月31日に新規受付を終了して、新しく「スマートライフプラン」というオール電化向けプランのサービスを開始しました。

これらはどちらも、夜間の電力が安い料金プランです。ただ、新しい料金プランであるスマートライフプランは、電化上手に比べて割高な料金設定となっています。つまり、東京電力の提供するオール電化向けプランは、電力自由化以前のものの方がお得だといえます。

そして、このような傾向はオール電化向けプランだけではなく、従量電灯以外のプランすべてに共通しています。つまり、電力自由化以前に東京電力の従量電灯以外のプランで契約していた人は、契約変更によって損をする可能性が高いのです。

さらに、前述のとおり、旧プランの新規受付はすでに終了しています。そのため、旧プランから新プランへ契約変更すると、もとの料金プランに戻すことができません。そのため、このような旧プランに加入していた人は、新しい料金プランへの変更を見送るのが賢明です。

ただ、今後電力市場の価格競争が激しくなると、新プランの電気料金が旧プランよりも安くなる可能性があります。そのため、東京電力との契約で得をするためには、日々の情報をしっかり把握することが大切です。