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電力自由化で電力業界が開放されたことによって、多数の企業が電力市場に参入しました。その結果、料金プランやサービスが多様化しています。そのため、消費者がライフスタイルに適した電力会社を選べるようになりました。

ただ、電力自由化には消費者にメリットがある一方で、会社が倒産するリスクが高まるデメリットがあります。実際に、アメリカや日本では電力自由化によって参入した会社が経営難で倒産したケースがあります。

そこで、ここでは契約している電力会社が倒産したときの対処法について解説していきます。

なぜ電力自由化によって電力会社の倒産リスクが高まるのか

電力自由化以前は、電力会社が経営破綻することはまずありえませんでした。これは、必要コストに利益をあらかじめ上乗せして料金の設定を行っていたためです。この料金設定によって電力会社は毎月一定の利益を確保できたため、安定した経営を行っていました。

ただ、電力自由化によって、このような料金設定が撤廃されることになります。これは、電力自由化の目的の1つが電気料金の適正化であるためです。前述のような価格設定が撤廃されると、電力会社同士の価格競争が激化すると考えられます。

過激な価格競争が起こると、会社の利益が減って経営難が起こります。そして、運営努力で経営を立て直すことができなくなると、経営破綻に至ります。つまり、価格競争が激しくなると会社の倒産リスクが高まるのです。

実際に、アメリカの大手エネルギー会社であった「エンロン」や日本の大手新電力会社「日本ロジテック」は、このようにして倒産しました。

契約している電力会社が倒産したときの対処法

契約している電力会社が倒産しても、ただちに電力供給が止まるということはありません。これは、電力会社が倒産した場合には地域の電力会社が消費者に電力を供給するという「最終保証サービス」があるためです。

ただ、倒産によって電力会社が切り替わると、電気料金が地域電力会社が提供する従来の電気料金となるため、新電力会社との契約で安くなっていた電気料金は一時的に高くなる可能性が高いです。

また、電力会社が倒産などによって契約を終了するときには、契約終了の15日前までに消費者へ通知するとされています。このような通知には、契約終了のお知らせとともに、前述の最終保証サービスについての案内が記載されています。そのため多くの場合では、通知が来てから15日以内に、地域電力会社や新しく契約する電力会社に電力契約の申込を行うことになります。

ただ、電力会社の倒産が急であった場合、15日前に通知が来るとは限りません。このようなときは、電力の送配電を行っている会社から通知が来ることになります。

電力会社が倒産したということは、送配電を行っている会社への送配電網使用料金の支払いが滞っているということです。このような不払いが続くと、送配電会社は電力会社が料金を滞納したことによって送配電の契約を打ち切り、契約終了の通知を電力会社と消費者に送ります。

ただ、このような送配電会社からの通知は、送配電会社と電力会社の契約が切れる5日前までに届くとされています。つまり、電力会社倒産の通知が届いた5日後には電力供給が止まるということです。

このように短い期間では、新しく電力会社を探すのは困難です。そのため、電力会社が急に倒産した場合では、もともと契約していた地域電力会社の「最終保証サービス」を利用するのが賢明といえます。

倒産する電力会社を選ばないためのコツ

一般の消費者にとって、契約している会社の経営状況を把握することは困難です。倒産間際の経営難になって初めて、テレビニュースや新聞などで経営状況を知るということは少なくありません。

ただ、前述のエンロンや日本ロジテックの倒産は、専門家の間では起こりうることとされていました。これらの会社は、もともと経営が不透明で経営方法に無理があると指摘されていたのです。

このようなことから、電力会社変更を検討するときには、料金プランだけではなく会社の概要や評判なども確認することをおすすめします。そうすることで、契約している会社が倒産するリスクを限りなく低くすることができます。そして、万が一契約している電力会社が倒産したら、これまでに述べたような情報を踏まえて新しい電力会社を選びましょう。