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電力を使用する多くの人が、電気代を安くしたいと考えています。また、電力自由化を機に電力業界へ参入した会社の料金プランは、従来よりも格安なものが多いです。そのため、2016年4月の自由化実施と同時に電力会社の乗り換えを行う人の数は多いと見込まれていました。

ただ、実際に電力自由化直後に電力会社を変更した人は、全世帯の0.5%程度でした。これは、電力会社変更によるデメリットを心配する人が多いことが1つの理由といわれています。不安要素の中でも特に、「電力会社を変更すると停電の頻度が上がる」と思っている人は多いです。

そこで、ここでは電力会社変更に伴う停電について解説していきます。

電力会社を変更しても停電しやすくなることはない

電力自由化以前に一般消費者が契約していた地域の電力会社は、大きな発電所を多数所有しているため電力供給能力が高いです。これに対して、「新電力」といわれる新規に参入した電力会社は、地域電力会社に比べて電力の供給能力が低いことが多いです。

このような新電力が多くの世帯と契約すると、一時的に電力供給が間に合わなくなることがあります。ただ、このようなことが起こっても、一般消費者の世帯が停電になることはありません。これは、電力自由化で消費者が不便になることがないような仕組みが作られているためです。

さまざまな発電所で発電された電気は、共通の送電網を通って各世帯に届けられます。そして、各電力会社は契約者が使用した電力量を検知して、その分の電気を送電網に流します。

例えば、A社と契約している世帯が20KW使用したとすると、A社は送電網に20KWの電気を流すということになります。また、その送電網にはB社から他世帯が使用している電気も流れています。

つまり、送電網に流れている電気は1社だけのものではなく、その地域に電力を供給しているすべての電力会社における電気が流れているということです。そのため、世帯にはさまざまな電力会社の電気が届いていることになります。

他の電力会社が補うという規定がある

このような仕組みによって、電力会社のうち1社の電力供給量が足りなくなっても、自宅に電気が届かなくなることはありません。例えば、契約しているA社の電力供給が止まっても、共通の送電網を流れている他社の電気が家に届くのです。

そして、このようにして「足りなくなった電力量は、他の電力会社が補う」という決まりが定められています。前述の例でいうと、A社がなんらかの理由で契約者が使用した20KWの電力が流せなくなった場合、余力のある他の電力会社が20KWの電気を送電網に流します。

このような仕組みによって、電力会社を変更しても世帯の電気が不安定になることはありません。一方で、電力会社の変更にはさまざまなメリットがあります。そのため、停電が心配で電力会社の乗り換えを躊躇しているのであれば、乗り換えの検討をおすすめします。

新電力の倒産リスク

前述のように、契約している電力会社が電力供給を行えなくなっても、世帯が停電になることはありません。ただ、このような電力供給の停止が頻繁に起こる会社は、倒産リスクが高いです。

というのも、前に述べたような「電気の肩代わり」にはペナルティが発生するからです。前述の例でいうと、電力供給が間に合わなかったA社には、電力供給を肩代わりしてもらった会社に、補ってもらった分の電気料金と共に罰金を支払う義務があります。

このようなペナルティが頻繁に発生すると、会社の経営状況が悪化していきます。すると、電力を調達するための資金などが不足して、最終的に倒産に至ることがあります。実際に、過去にペナルティが原因で会社が倒産したケースもあります。

契約している電力会社が倒産した場合、自動的に地域の電力会社との契約に切り替わるため電力供給が止まることはありません。

ただ、このときの電気料金は地域電力会社の「経過措置プラン」となり、新電力の料金プランよりも割高になります。そのため、契約している電力会社が倒産すると、電気料金が一時的に高くなることがほとんどです。このような理由から、新電力会社を選ぶ際は電気料金だけではなく、電力の供給能力にも注意する必要があります。

このように、電力会社を変更することで停電しやすくなるということを心配する必要はありません。ただ、新契約には変更先の会社における電力の供給能力を事前に把握しておくことが大切です、また、契約後もその会社の経営状況をこまめに確認することが重要になります。そうすることで、世帯の電気が不安定化することなく電気料金を安くすることができます。

電力会社を変更した後における停電時の連絡先

ただ、停電する可能性がゼロというわけではありません。自宅で急に電気が使えなくなったとき場合、その原因として考えられるのは、「停電している」もしくは「ブレーカーがオフになっている」のどちらかです。そのため、自宅で電気が使えなくなったときはまずブレーカーのスイッチを確認することが大切です。

住んでいる地域が東京電力や北海道電力、東北電力、中部電力、北陸電力、九州電力などの管理区域であれば、自宅で一度に使える電流の量には上限があります。

この上限は契約プランによって異なり、定められた上限以上の電流を一度に流すとブレーカーが落ちて電気が一時的に使えなくなります。つまり、上記6社の管轄地域に住んでいる世帯では、一度に家電を使いすぎてブレーカーがオフになる可能性があります。

このようにして電気が使えなくなった場合、ブレーカーのスイッチをオンにすることで再び電気が使えるようになります。

ただ、家電のスイッチを入れたままブレーカーをオンにすると、家電の使いすぎで再びブレーカーが落ちます。これを防ぐために、一度家電のスイッチをオフにしたりコンセントを抜いたりしてからブレーカーのスイッチを入れる必要があります。

停電時は地域の電力会社が復旧作業を行う

これに対して、ブレーカーのスイッチがオンになっている状態で電気が使えなくなった場合は、自宅の電気が停電しています。このような場合、電力計がスマートメーターであれば、スマートメーターが備える通信機能によって数分後に停電が自動復旧します。

ただ、自宅の電力計がアナログの世帯では、停電が自動復旧しないことがあります。電力会社を変更した後に自宅の停電が復旧しない場合は、契約している電力会社ではなく、地域の電力会社が復旧作業を行うことになります。

というのも、契約している電力会社はあくまで「電力を売る」会社であり、電気を世帯に送っているわけではないのです。世帯に電気を送配電しているのは、従来契約していた地域の電力会社です。そのため、停電時には地域の電力会社に連絡することで停電を復旧してもらえます。

ただ、電気料金の滞納によって停電が起こっている場合は、世帯が契約している電力会社でなければ対応できません。そのため、自宅がこの理由によって停電したときは、まず契約している電力会社に連絡して支払状況などを確認することが大切です。そして、あらためて地域電力会社へ連絡するように案内された場合、それに従って問い合わせを行いましょう。

また、このような問い合わせ時には、11桁の「お客さま番号」を伝えるとスムーズに話が進みます。そのため、あらかじめ請求書や検針票などで番号を調べてから連絡することをおすすめします。

地域一帯が停電している場合

前述のように、世帯に電気を送っているのは地域の電力会社です。そのため、停電しているのが自宅だけではなく近隣一帯であるときは、電線などの送配電設備に原因があると考えられるため、地域の電力会社に連絡する必要があります。

ただ、地域一帯が停電しているのであれば、地域の住民が一斉に問い合わせて電話がつながりにくいことが考えられます。そのため、このような場合は、携帯ラジオやインターネットなどで地域の情報を得ることが大切です。

このように、電力自由化以降は停電時の連絡先が少し複雑になります。ただ、基本的には、自宅で電気関係のトラブルがあったときは、契約している電力会社に連絡すると解決することが多いです。

そのため、自宅の電気が使えなくなった際には、これまでに述べたような情報を踏まえて行動し、その上で契約している電力会社に問い合わせましょう。